合計52枚のアルミニウム製フィンで形成される円形ヒートシンク
2基の冷却ファンとABS樹脂製カウルを外し、ヒートシンクそのものに目を向けると、構造上のポイントが次々と浮かび上がってきた。

最も重要なポイントは、「ZET5」が円形ヒートシンクではないという点だ。長さの異なる合計52枚のアルミニウム製フィンを積層し、前後から見たときに円形に見える構造になっている。つまり「ZET 3」のような放射状の円形ヒートシンクとは冷却スタイルがまったく異なることが分かった。

52枚のアルミニウム製放熱フィンは、最も短い部分で約58mm、最も長い部分で約120mm。そして製品資料によると、放熱面積は6,725㎠になるという。このように、外装に合わせて円形に見えるヒートシンクは、前後からのエアフローにより、最大TDPは200Wに対応するとされる。

天板には基板が収められ、さらに外周をプラスチック製の帯状パーツがぐるりと取り囲む。そして次は、冷却性能の要となる受熱ベースプレートとヒートパイプに注目してみたい。
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横から確認したヒートシンクは、円形ではなくごく一般的なサイドフロー型CPUクーラーそのものだ。幅は約65mmとスリムであり、“ナロータイプ”と呼ぶのが適切だろう
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受熱ベースとヒートパイプ
受熱ベースプレートはニッケルメッキ処理が施された銅製。サイズを計測すると、幅約40mm、長さ約43mmの長方形で、厚さは最厚部で約13mm。ここに合計5本のφ6mmヒートパイプが接着されている。

なおヒートパイプのベースプレート接合部については
「RDTH」(Reverse Direct Touch Heatpipe)と呼ばれる、ZALMAN独自の仕掛けがアピールされている。

資料によれば、ヒートパイプと受熱ベースプレートは直接はんだで接合されており、高い密着率を確保することで熱伝導ロスを抑え、受熱性能を最大限に引き出している。また「RDTH」構造では、ヒートパイプのダイレクトタッチ面積を拡大することで、熱抵抗を最小限に抑えているという。
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受熱ベースプレートの上部には、締め付けトルクを均一化するスプリングスクリュー付きのプレートがネジ留めされている
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