ここからはZET5を実際のPCに取り付けて気になる冷却性能を確認していこう。まずはRyzen 9000シリーズのフラッグシップモデルRyzen 9 9950X3DとAMD X870チップセットマザーボード「TUF GAMING X870-PLUS WIFI」の構成からだ。ストレステストは「OCCT 14.2.6:CPU」と「Cinebench 2024:30 minutes(Test Stability)」を使用し、CPU温度は「CPU (Tctl/Tdie)」の数値を採用している。また騒音値はデータログ機能を備えた騒音計アズワン「TM-103」をPCから30cmの距離に設置して計測した。
|
|
| Socket AM5向けCPUのフラッグシップRyzen 9 9950X3D。コア数は16コア/32スレッドで、TDPは170Wに設定されている | |
|
| 「Ryzen Master」を確認したところPPTは200W、TDCは160A、EDCは225Aに設定され、冷却性能が十分ならTDPは200W前後まで上昇する |
Package PowerがTDP通り170W前後で推移する「OCCT 14.2.6」では、CPUの平均温度は約90℃、最高温度も93.4℃で、CPUが許容する最高温度である95℃に達すことは一度もなかった。またPacakge Powerが195W前後まで上昇する「Cinebench 2024」でも最高温度は95℃に達するが、平均温度は約92.3℃だった。動作クロックも全領域フラットで、サーマルスロットリングによる速度低下は見られないことから、ZET5であればRyzen 9 9950X3Dの性能を存分に引き出すことができる。
続いてファンの回転数を確認すると、いずれのテストでも公称最大値の2,000rpm前後まで上昇した。ノイズレベルは43dBA前後で、バラックでのテストでは風切音が聞こえるものの耳障りに感じるほどではなく、PCケースに入れてデスクの下に設置してしまえば気になることはないだろう。