ZET5に搭載される2基の冷却ファンは、マグネットによる着脱式を採用している。工具不要の取り付け方式はいくつか存在するが、マグネットを選んだ理由は、作業効率や利便性に加え、カウルと一体化した際の接合部の美しさを重視したためだろう。なお、冷却ファンは専用形状のため、汎用ファンとの交換はできない点に注意しておきたい。

前後に搭載される冷却ファンは、吸気側と排気側で仕様が異なる。特に後方はリバースファンを採用しており、ピラーレスデザインPCケースの右側面に搭載される“魅せる冷却ファン”と同じ発想だ。魅せるCPUクーラーの先駆けであるZET5は、細部にまでこだわりが行き届いている。
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| 前方(Foward)から吸気、後方(Reverse)から排気を行うエアフローレイアウト |
そしてユニークなのは、マグネット固定式ファンは
「ポゴピン式マウントシステム」を採用。吸排気側いずれにも上部にはスプリングを内蔵した小型の電気接点部品である「ポゴピン」を備え、冷却ファンのモーターおよび外周に内蔵するアドレサブルRGBイルミネーションへの給電を行っている。
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| 前後の吸排気ファンを取り外した状態。カウルがそのまま残り、両面にヒートシンクが露わになる |
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| 約50mm四方の基板の両側にはポゴピンを装備。マザーボードから給電された電力を前後冷却ファンへ供給する |
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| ポゴピンは6つの接点で構成。冷却ファンフレームおよびカウル部分には、それぞれ2本の小さなネジで固定されている | |
特殊形状の冷却ファンは120mm「Zalman AF120」で、翼端の渦や逆流を防ぐブレードデザインを採用。エアフローの効率化と振動を抑制することで、静音化にも貢献している。 スペックは共通で、軸受けにハイドロベアリングを採用。回転数は600~2,000rpm±10%のPWM仕様で、騒音値は最大30.4dBA±10%、風量最大44.48CFM±10%、静圧1.4mmH2O±10%とされる。
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| 中央のラベルには「ZT11523CSH」の文字が記されていた。なお吸気・排気いずれも共通の型番が使われている |
念のため冷却ファン単体の外形寸法を計測しておくと、フレームにあたるカウルと同素材のABS樹脂製カバーは直径約130mm、リングブレード部は直径約102mm、厚さは約30mm。スペック表では120mmファン(Zalman AF120)とされるが、実際には数字よりも大型ファンである事が分かる。
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| ファンブレードの外縁をつなぐリング一体型の5枚羽仕様。安定した回転による静音性も考慮されている |
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| 左がリバースファン(排気)、右が吸気側のファン。ブレードデザインの違いが分かる |