
PL1/PL2を270Wに設定した場合、平均Package Powerは約267Wまで上昇するが、CPUの平均温度は約86.9℃に留まっている。瞬間的には300Wを超える場面も確認されたものの、最高温度は98℃で、CPUが許容する上限である100℃に達することはなかった。

PL1/PL2を280Wに設定した場合、平均Package Powerは約273Wとなり、瞬間的には最高314Wまで上昇した。それでもCPUの平均温度は約88℃、最高温度も98℃に留まっており、270W設定時と比較して大きな違いは見られなかった。

PL1/PL2を290Wに設定した場合、平均Package Powerは約284Wまで上昇し、CPUの平均温度も約91.9℃と、今回のテストでは初めて90℃を超えた。 また、最大Package Powerは約321Wに達しており、テスト中にはCPU温度が100℃に到達する場面も何度か確認されている。

PL1/PL2を300Wに設定した場合、Package Powerの平均値は約294W、最大値は約332Wまで上昇する。この領域では、360mmサイズのオールインワン型水冷ユニットでもCPU温度が100℃付近に張り付く製品が存在するが、NH-D15 G2 chromax.blackでは平均温度が約94.2℃に留まり、サーマルスロットリングによるPackage Powerの低下も確認されなかった。 以上の結果から判断すると、同製品は最大で320W前後の負荷に対応できる余地を持っており、Package Powerを290W〜300Wに設定した範囲であれば、冷却性能が不足する状況には陥りにくいと考えられる。
Noctua「NH-D15 G2 chromax.black」は、冷却性能を再定義するための製品ではない。すでに空冷クーラーの最高峰として完成されたNH-D15 G2に対し、完成したPCの佇まいまで含めて選べる選択肢を提示したモデルだ。 実動テストでも、懸念されたブラック塗装による性能低下は見られず、高負荷環境においても空冷クーラーとして極めて高い安定性を示した。そのうえで、PCケース内部に自然に溶け込み、必要以上に主張しない外観は、chromax.blackならではの価値と言える。

空冷最高峰という評価は、もはや前提条件。そのうえで「どんなPCを組みたいか」を考えたとき、NH-D15 G2 chromax.blackは確かな選択肢として浮かび上がってくる。
協力:Noctua