グラフィックスカードの有効スペースは360mmまで。本稿では ASUS のハイエンドモデル
「ROG-ASTRAL-RTX5080-O16G-WHITE」を搭載してみよう。2025年6月より国内販売が開始されたモデルで、3.8スロット占有デザインを採用。外形寸法は幅149.3mm、長さ357.6mm、厚さ76mmとされる。 ちなみに重量は約2.86kg。3.8スロットを占有する重量級グラフィックスカードだけに、標準装備の「GPUホルダー」は必須の存在と言えるだろう。これを活用しない手はない。さらにPRIME AP303には、重量級カードの固定を補助する「Graphics Card Fixing Bracket」も付属している。
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| まずは3つのGPUサポートブラケット用ネジ穴に、「Graphics Card Fixing Bracket」をネジ留め。ここではミリネジ(Motherboard / 2.5″ Drive Screws)を使用している |
このブラケットは、GeForce RTX 50シリーズの背面に設けられた「GPUサポートブラケット用ネジ穴(GPU Support Bracket Mounting Hole)」を利用し、マザーボードトレイ側へ固定することで、グラフィックスカードをより強固に保持する仕組みだ。
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| 2段分の拡張スロット金具を外し、ROG-ASTRAL-RTX5080-O16G-WHITEを固定。PCIe 16pinコネクタケーブルを接続すれば基本作業は完了する |
重量級カードを支える2つの仕掛けは、グラフィックスカードを搭載しながら同時進行で位置調整を行う。まず上部は、あらかじめ取り付けた「Graphics Card Fixing Bracket」を、マザーボードトレイに設けられた6つのネジ穴の中から適切な位置を選び、2点で固定する。

次に下側を支える「GPUホルダー」は、VGAクーラーの冷却ファンに干渉しない位置を探し、カバー部分の接点を基準に2本のネジで高さ調整を行う。

このように、PRIME AP303はハイエンドグラフィックスカードへの対応が非常に手厚い。内部容積44Lというコンパクトさをアピールする一方で、実際には一般的なミドルタワーPCケース以上に、重量級グラフィックスカードの実装を想定した準備が整えられている。表立って語られることは少ないが、PRIME AP303の“隠れた強み”と言ってよいだろう。

グラフィックスカードの搭載が完了したら、最後に電源ユニット横を覆うスチール製プレートを元に戻しておこう。「Tempered Glass Panel」モデルでは電源ユニットの目隠しとして機能するパーツだが、「Mesh Panel」モデルでは、その効果を視覚的に実感しにくい点は留意したい。
外観チェックから内部構造、そして組み込みセッションを経て本稿を終えるにあたり、時間の経過とともに、以前検証したミニタワー「PRIME AP201」の印象が何度も頭をよぎった。その間に登場した「PRIME AP202」はやや異なる路線を歩んだが、PRIME AP201直系とも言えるPRIME AP303は、いわば“正常進化”を果たしたPCケースと捉えることができる。PCケース専業メーカーではない ASUS が手がけた製品として見ても、その完成度の高さはさすがと言ってよいだろう。

特に、電源ユニットのフロント「吊り下げ式」を軸に全体を最適化し、長尺ラジエーターや超ハイエンドグラフィックスカード、さらには背の高いCPUクーラーに対しても最大限の空間を確保している点は高く評価できる。どれを取っても明確なマイナス要素は見当たらず、これらは本機の[○]として異論は少ないはずだ。また、これといって[×]な部分は見当たらない。

意外性という点では、ハイエンドグラフィックスカードへの対応の手厚さが印象に残る。GPUホルダーとGraphics Card Fixing Bracketを標準装備することで、特にGeForce RTX 50シリーズを搭載する際には、他モデルにはない安心感を提供している。複数のラインナップを展開するASUSならではの着眼点と言えるだろう。

44Lというコンパクトな数値を言い訳にせず、内部設計と実装対応で勝負してきたPRIME AP303シリーズ。組み込みやすさは高い一方で、独自構造を理解したうえで扱える経験者向けのPCケース、というのが最終的な印象だ。
提供:ASUS JAPAN株式会社