最終セッションでは、FLUX Mをベースに構成パーツを組み込んでいく。製品情報や資料、マニュアルでは分からないポイントや組み込み時の注意点、搭載後の周辺クリアランスまで踏み込み、順を追って解説していく。
まずはマザーボードから組み込み作業を開始しよう。搭載テストに用意したのは2025年5月に発売された、
MSI「B850M GAMING PLUS WIFI」。MicroATX規格(243.84 × 243.84mm)でSocket AM5に対応。AMD B850チップを搭載する、ホワイト基調のゲーミングマザーボードだ。

扱い慣れたミドルタワーPCケースよりも開口部は狭いものの、ドライバーが扱いにくいというほどではない。マザーボードのネジ留めでは、奥までドライバーを挿し込む必要があるが、一般的な工具で事は足りた。なお搭載後の周辺クリアランスを計測すると、トップパネルまでは約60mm、右横の張り出し(電源ユニット搭載スペース)までは約17mm、ボトムパネルまでは約35mmだった。上下よりも左右方向がタイトであることは意外だが、作業を妨げることはなく、取り立てて問題にはならないだろう。
マザーボード搭載後は、CPUクーラーの有効スペースを確認しておこう。計測方法はCPUの上にレーザー距離計を設置し、左側面の強化ガラスパネル内側を想定した位置にテープを貼り、そこまでの距離を測った。 CPUクーラーの有効スペースは公称175mmだが、レーザー距離計は174mmを示している。もちろん誤差の範囲内で、メーカーが開示する数値は正確であることが分かった。高さ174mmまでのサイドフロー型CPUクーラーは選択肢が豊富で、空冷構成でもクーラー選びの自由度は高い。

次にマザーボードトレイ背面に回り込み、専用ドライブトレイを外した状態でCPUクーラーメンテナンスホールのサイズを計測する。結果、カットアウトのサイズは実測で幅約180mm、高さ約135mmだった。Socket AM5標準のバックプレートは露出できており、これよりもひとまわり小さいIntel LGA1700/1851のマウントホール(78x78mm)も問題なく露出するはずだ。
次に電源ユニットを搭載してみよう。おさらいすると、FLUX Mの電源ユニットは吊り下げ式を採用し、フロント側の右側面にマウントスペースが設けられている。 まずトップ面の大判ダストフィルターを取り外し、前方に現れるアクセス用プレートを外す。そして搭載テストに用意したのは、奥行き140mmで、120mmファンを搭載する850W電源ユニット、
Antec「GSK850 ATX3.1 White」。これを右側面の開口部から挿入し、トップパネル側の開口部から、4本のインチネジで固定する。

作業自体に難しさはないものの、アクセス用のスチール製プレートを塞ぐ前に、内部中継ケーブルを電源側のインレットに装着。さらに電源ユニット本体のスイッチをONにしておく必要がある。通常露出している部分がプレートを塞ぐことでアクセスできなくなるためだ。

電源ユニットの有効スペースはケーブルを除き160mmとされる。搭載後のクリアランスを計測するとボトムパネルまでは約170mm。このスペースは、余剰ケーブルの収納にも活用できる。ちなみに十分なクリアランスがあるとは言え、モジュラーコネクタは下向きになるため、電源ユニット固定前に必要なケーブルはあらかじめ接続しておきたい。
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| 搭載作業にはネジ2本で固定された下部のブラケットも取り外しておこう |