「Katamen-432856」が搭載するクーラーの冷却性能
ゲーミングPCがパフォーマンスを発揮できるかどうかは、冷却性能も大きく影響してくる。ここではCPUおよびグラフィックスカードが高負荷時にどのような挙動を示すのか、ストレステストを実行してチェックしていこう。
CPUクーラーの検証には「Cinebench 2024:Minimum Test Duration:30 minutes」、グラフィックスカードの場合は「3DMark Speed Way Stress Test」を使用し、動作クロックと温度を「HWiNFO」で計測した。(室温は24℃)
まずCPUから見ていくと、テスト開始時はPL2設定のクロックまで一気に上昇しつつ、その後は3.6~4.0GHz程度で推移。さすがにスリムな空冷クーラーとあって水冷環境に比べれば動作クロックは控えめだが、CPU温度は55℃前後と優秀だ。クーラーが冷却可能な範囲内にて、安定した動作を維持できている。
続いてグラフィックスカードの方は、公称値を上回る動作クロックを安定して叩き出していることから、問題なく冷却できていることが分かる。GPU温度も70℃台半ばに抑え込まれており、PNY製カードのデュアルファンクーラーはしっかり仕事を果たしているようだ。
また、動作中の騒音も最大48.3dBAと控えめ。騒音源になりやすいグラフィックスカードは高負荷時に低めのモーター音が聞こえる程度で、風切り音が目立たない静かなモデルだと感じた。組み込まれているケースファンも定速回転の1基のみとあって、全体の騒音が低く抑えられているようだ。
実用性重視な技ありのパーツ構成、さらに満足度を高めるカスタマイズも
Core i7-14700FとGeForce RTX 4070 SUPERがベースという旧世代揃いのパーツ構成ながら、なかなかどうして「Katamen-432856」のパフォーマンスはコスト以上の優秀さだった。
バトルロイヤル系のゲームを高フレームレートでプレイできるだけでなく、「モンスターハンターワイルズ」のような負荷が重めのタイトルもWQHD環境でヌルヌル遊べて、4Kプレイも十分に可能。ミドルユーザーの要求するスペックを低コストに実現する、まさに「これでいいんだよ」と言いたくなるパーツ構成だ。
それを実現するため、あえて主要パーツを固定化してカスタマイズの幅を制限しているわけだが、その範囲でも十分に性能の底上げは可能。デュアルチャネル化による性能向上が見込めるメモリの強化は、特に優先して手を入れたいカスタマイズ項目だ。
さらに標準でリアファン1基のみという冷却周りは弱点になっており、フレッシュエアを効果的に取り込むために(ユーザー自身の手が必要ながら)フロントへの冷却ファン増設をオススメしたい。標準以上のパフォーマンス強化と安定した動作が期待できるため、自作初心者にもぜひチャレンジしてもらいたいところだ。
提供:アプライド株式会社