冷却ファンレイアウト(1):フロントファン
- 冷却ファン:120mm x3基/140mm x3基/180mm x2基/200mm x2基
(SickleFlow ARGB 140mm x3基標準装備)
- ラジエーター:120/140/240/280/360/420mmサイズ(最大458mm)
次に冷却ファンおよびラジエーターの搭載スペースを見て行く。アルミニウム製フロントパネル内部のシャーシ側には、出荷時より140mmファン「SickleFlow ARGB 140mm」が3基標準で装備されている。なおブラックモデルの場合、ARGB LED非搭載の「Mobius 140 mm」が3基搭載される。

ちなみにカタログモデルの
「SickleFlow 140 ARGB」(650~1,400±200rpm)とはスペックが異なるようだ。標準装備品のSickleFlow ARGB 140mmに貼られているラベルには650~1,800rpmと共に、型番には「DF1402512RFMN」と記されている。詳細は分からないが、PCケース用のカスタマイズ品とみて間違いなさそうだ。
なおフロント部には120mm x3基、180/200mm x2基への換装に対応。ラジエーターは120/140/240/280/360/420mmサイズが搭載できる。

そして、フリーレイアウト設計を存分に生かした固定方法もユニークだ。複数の穴が設けられたプレートに外径の異なる冷却ファンが固定できる仕組み。例えば180mmや200mmのファンに換装する場合、このプレートを90°または270°に角度を変えてネジ留めすれば、冷却ファン固定用ネジ穴の位置も変更できるというワケだ。
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出荷時は140mmファン(SickleFlow ARGB 140mm)3基に合わせ、シャーシ左右のネジ穴にプレートが固定されている
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冷却ファンレイアウト(2):トップファン
- 冷却ファン:120mm x3基/140mm x2基/180mm x2基/200mm x1基
- ラジエーター:120/140/240/280/360/420mmサイズ(I/0モジュールをフロントパネルに移す場合485mmまで対応)
フロント同様の通気孔を設けたトップパネル内部には、120mmファンが3基、または140mm、180mmファンが2基、または200mmファン1基が増設できる。ここにも例によって、フリーレイアウトを実現させるプレートを装着し、冷却ファンサイズに合わせたネジ穴が用意されている。

なお搭載できるラジエーターは120/140/240/280/360mmサイズとされ、I/Oモジュールをフロントパネルに移動させた場合は485mmサイズまでがサポートされると記載されている。フロント部には出荷時より冷却ファンが搭載されていることから、ラジエーターの設置はトップパネル部が第一候補になるだろう。
冷却ファンレイアウト(3):リアファン
- 冷却ファン:120mm x1基(SickleFlow ARGB 120mm x1基標準装備)
- ラジエーター:120mmサイズ
リア部には120mmファンが1基搭載可能。出荷時より「SickleFlow ARGB 120mm」(型番:DF1202512RFMN)が搭載されている。フロント同様、カタログモデルとは型番が異なるものの、中央のラベルを確認すると回転数は市販品「MFX-B2DN-18NPA-R1」と同じ650~1,800rpmと記されていた。
ちなみにシャーシには一般的なテーパーネジを使用。120mmサイズラジエーターも搭載できる。
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なおブラックモデルにはARGB LED非搭載「Mobius 120 mm」が標準装備される
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冷却ファンレイアウト(4):ボトムファン
- 冷却ファン:120/140/180/200mm x1基
PSUシュラウドとフロントパネルまでの底面空きスペースには、付属の「Multi-functional Bar」を使う事で120mmから200mmまで計4種類の冷却ファンいずれか1基が増設できる。

ボトムファンの多くは外気を取り込む吸気用としての役割で、システム全体のエアフロー性能を向上させるための一手として必要であれば活用するといい。また4種類もの口径違いが選択できるあたりは、フリーレイアウトの恩恵だろう。なおMulti-functional Barについては、ドライブベイのセッションで詳しく触れることにしよう。
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Multi-functional Barは、ボトム面から「M4*6mm screw」で冷却ファンのネジ穴(ピッチ)に合わせて固定。なお冷却ファンは一般的なテーパーネジで固定を行う
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冷却ファンレイアウト(4):サイドファン
- 冷却ファン:120mm x3基/140mm x3基
- ラジエーター:240/280/360/420mmサイズ
上・下段のサイドカバーを取り外せば、縦軸のブラケットに冷却ファンが増設できるようになる。内訳は120mmまたは140mmファンが3基で、ラジエーターも240/280/360/420mmサイズが搭載できる。
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ブラケットにネジ留めされている、上段サイドカバー(画像右)と下段サイドカバー(画像左)
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左側面に強化ガラスを採用した“魅せるPCケース”に始まり、現在主流のフロントまで密閉された“ピラーレスデザインPCケース”に至るまで、近年では右側面に搭載されるサイドファンの重要性が高まってきている。これはMasterFrame 600でも例外ではなく、右サイドパネルには通気孔を設け、エアフローの強化、またはラジエーターに搭載されたARGBファンのイルミネーションを楽しむドレスアップ用途まで、ユーザーの自由な選択肢が用意されている。
4基の冷却ファンが制御できる「ARGB HUB」
サイドカバーの内側には「ARGB HUB」が標準で装備されている。ブラケットの横軸に2本のネジで固定された基板は、幅約70mm、高さ約28mm。ここには冷却ファン4基分の4pinコネクタとARGBコネクタが搭載され、出荷時よりフロントファン「SickleFlow ARGB 140mm」3基が接続されている。

現在の自作PC市場では、拡張性の高さを売りにするPCケースが数多く存在している。しかし一方で、マザーボード上に備わる冷却ファン用コネクタの数だけでは対応しきれず、多くのPCケースにファンHUBが標準装備されるようになった。
MasterFrame 600も例外ではなく、同様にHUBを搭載しているが、残りのコネクタがあと1口しかないのは、正直やや心もとない。冷却ファンの搭載可能数を考えると、ややアンバランスな印象が否めず、場合によってはコネクタ不足に悩まされる場面も出てきそうだ。
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取り外した状態の「ARGB HUB」は出荷時で残りコネクタ数は冷却ファン1基分。ちなみにリア標準装備されるSickleFlow ARGB 120mmのケーブルが短く、接続ができなかった
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