電源ユニットを搭載してみる
トップマウントにも変更ができる電源ユニットだが、今回は標準のボトムマウントを選択した。搭載テストには
Cooler Master「MWE Gold 850 V3 ATX3.1 JP」(型番:MPX-8503-AFAG-2EBJP)を用意した。型番からも分かる通り、ATX 3.1対応の80PLUS GOLD認証フルモジュラー式電源ユニット。容量は850Wで、ゼロrpmモードに対応する120mmファンが内蔵される。ちなみに奥行きは160mmだ。
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後方から4本のインチネジで固定すると、電源ユニットは底面から浮いた状態でマウントされる
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作業手順としては、右側面のすき間から電源ユニット本体を挿入し、リアパネル側から4本のインチネジで固定する形になる。電源ユニットの有効スペースは235mmで、搭載後の空きスペースは実測で約100mmだった。

この空間があれば、搭載したままの状態でモジュラー式コネクタの抜き挿しができそうに思えたが、実際には意外と作業が難しかった。ただし、MasterFrame 600ではPSUシュラウドの前方部分がネジ留め式になっており、フタを取り外せばコネクタにアクセスできるため、ケーブルの追加作業なども比較的スムーズに行うことができる。
オールインワン型水冷ユニットを搭載してみる
次に以前詳細検証を行った360mmサイズラジエーターを採用するオールインワン型水冷ユニット
Cooler Master「MasterLiquid 360 Ion White Edition」を搭載してみる。なおパフォーマンスについては、検証記事を是非ご一読頂ければと思う。
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フロントに標準搭載ファンがあるため、今回はトップパネルに360mmサイズラジエーターを設置している
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搭載のしやすさについては、AIO水冷クーラー側の仕様に左右される部分もあるが、ひとつ気になる点があった。それは360mmサイズラジエーターに取り付けた冷却ファンと、CPU補助電源コネクタのケーブルとの距離だ。両者の位置が近すぎるため、非常にタイトな状態になっている。
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CPU補助電源コネクタに挿したケーブルとMasterLiquid 360 Ion White Edition搭載の120mmファンの位置関係。冷却ファンのフレームとケーブルは完全に接触しており、あまりいい状態とは言えない
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この干渉を引き起こしている原因は、ラジエーターを固定するプレートの位置にある。フリーレイアウト構造とはいえ、冷却ファンを搭載できる位置には制約があり、自由にポジションを選べるわけではないのだ。
仕様上、360mmサイズのラジエーターは、トップパネルの搭載スペース中央にしか固定できず、本来なら干渉を避けられそうな左サイドパネル側へ位置をずらすことはできない。そのため、CPU補助電源コネクタとの距離を十分に確保できず、物理的な干渉が生じているというワケだ。
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360mmサイズラジエーターの搭載ポジション。トップパネル中央のポジション以外には設置ができない事が分かった
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この問題を回避するには、ラジエーターや冷却ファンを固定するための、複数の穴が設けられたプレートの改良が不可欠。搭載位置をマザーボードからできるだけ離れた左サイドパネル側を基準とし、冷却ファンのサイズが大きくなるにつれて、右サイドパネル側へと展開できるようにする考え方が望ましい。
なお回避方法としてCooler Masterに確認したところ、トップパネル前方のスイッチおよびアクセスポート(I/Oモジュール)を取り外し、トップパネルと共にフロントパネルと位置を交換。冷却ファンおよびラジエーター固定用のプレートを前方へ移動すればいいとのこと。これでCPU補助電源コネクタとラジエーター搭載ファンの干渉が軽減できるというワケだ。
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冷却ファンおよびラジエーター固定用のプレート。これを自作して改良するユーザーもいるだろう
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スイッチおよびアクセスポート(I/Oモジュール)は移設が可能。トップパネルごとフロントパネルと入れ替えれば、解決策はある
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