Cooler Master「MasterFrame 600」を使って実際に組み込んでみる
最終セッションではMasterFrame 600をベースに、PCを組み込んでみよう。このモデルが定義する「フリーレイアウト」については、内部構造セッションで十分に理解できた。とは言え、規格により構成パーツが作られていることから、"規格外”のことができるワケではない。過剰な期待はできないが、実際に組み込み作業を進めながら、フリーレイアウトの可能性を探っていきたい。
ATX規格マザーボードを搭載してみる
マザーボードにはATX規格の
ASUS「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」(縦305mm/幅244mm)を用意した。マザーボードトレイには出荷時より3段/3列にスタンドオフが装着済み。ここに付属ネジ「#6-32*6mm screw」でマザーボードをネジ留めしていく。

この作業において特に問題となる点はなく、スムーズに進めることができた。ちなみに「#6-32*6mm screw」は、いわゆる六角インチネジで、グラフィックスカードや電源ユニットなど、重量のあるパーツの固定に使われる事が多い。マザーボードの固定にはあまり用いられないが、ミリネジではなくインチネジを使うことで、よりしっかりと固定しようという意図がうかがえる。
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ATX規格マザーボードではすぐ右横に位置するケーブルカバー。これより幅は広いE-ATXマザーボードを搭載する場合は取り外さなければならない。なおケーブルカバーはマザーボードトレイ背面側から上下各2本のネジで固定されている
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ちなみにATX規格の「ROG STRIX X870-F GAMING WIFI」を搭載した場合の周辺クリアランスは、トップパネルまでが約70mm、PSUシュラウドまでが約25mm、フロントの冷却ファンまで約215mmだった。
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マザーボードトレイ背面の様子。MasterFrame 600が背面コネクタマザーボード対応PCケースであることが分かる
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バックパネル部を確認すると、リアパネルと“ツライチ”ではなく、約20mm奥になる。使い勝手に支障がなければ良いのだが、少々気になるポイントではある
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トップパネルは全開放状態にならないが、上から手を入れてケーブルを挿すといった作業は可能。これだけでもずいぶんと助かるはずだ
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CPUクーラー有効スペースとメンテナンスホール
ここで、CPUクーラーの有効スペースを実測しておこう。従来通りCPUの真上にレーザー距離計を設置し、左側面の強化ガラスパネル内側にマーカーを貼り付けて、内部の高さを計測した。

メーカー公称値は190mmとされているが、今回の計測では193mmを計測。わずかな誤差の範囲内であり、公称値に忠実な設計であることが確認できた。このクリアランスであれば、ハイエンド志向の大型サイドフロー型CPUクーラーの搭載にも十分対応できるだろう。
続いてマザーボード背面から、CPUクーラーメンテナンスホールのカットサイズも見ておこう。

ご覧の通り正確な長方形ではないが、最大値で高さ約130mm、幅は約174mmだった。数値はともかく、マザーボード備え付けのSocket AM5用バックプレートは干渉せずに露出できており、組み込み時またはメンテナンス時でも十分に役割を果たしてくれるだろう。