ベンチマークテスト:PCMark 10 Extended
PC全体のパフォーマンスを計測できる総合ベンチマーク「PCMark 10」でも確認していこう。テストプリセットは、従来のテストに加え、ゲーミングパフォーマンスも確認する「PCMark 10 Extended」を実行している。
アプリケーションの起動時間やウェブブラウジングなどのパフォーマンスとなる「Essentials」は、元々メモリクロックによる差はほとんど出ない。ここでもその傾向は同じで、ほぼ横並びのスコアになっている。
これまでのメモリテストでも同じような傾向だが、文書作成や表計算などといったオフィスアプリの「Productivity」や、コンテンツ制作の「Digital Content Creation」は、メモリスペックの影響が出ることが多々ある。今回はDDR5-6400のほうがメモリタイミングは遅いため、クロック差が埋まり横並びに近い結果となっているのだろう。
ベンチマークテスト:UL Procyon
続いて実際にアプリケーションを使って処理を行い、そのパフォーマンスをスコアで示す「UL Procyon benchmark suite」で確認していく。
ベンチマークテスト:UL Procyon:Office Productivity Benchmark
まずはMicrosoft「Office(Microsoft 365)」を利用する「Office Productivity Benchmark」からチェックしていこう。
総合を含め、差は大きくないが「Word」「Excel」は、DDR5-6400が約1~2%スコアを伸ばしたが、「PowerPoint」はメモリタイミングが影響するのか、スコアはDDR5-4800が勝っている。とは言え、その差はわずかなので、体感はできないだろう。
ベンチマークテスト:UL Procyon:Photo Editing Benchmark
次は「Adobe Photoshop」と「Adobe Lightroom Classic」のパフォーマンスを計測する「Photo Editing Benchmark」のスコアを確認していこう。
「Adobe Photoshop」を使って処理する「Image Retouching score」は、約4%スコアを伸ばしている。「Adobe Lightroom Classic」で処理される「Batch Processing score」はわずか1%と、差はほとんど確認できなかった。ベンチマークでの一例ではあるが、処理する写真の枚数が増えれば、処理時間への影響は少なくないだろう。
ベンチマークテスト:UL Procyon:Video Editing Benchmark
続いては動画編集アプリケーション「Adobe Premiere Pro」のパフォーマンスを計測する「Video Editing Benchmark」のスコアを確認していこう。
こちらも、わずかにスコアを伸ばし、動画書き出し時間にも短縮がみられた。「Adobe Photoshop」と「Adobe Lightroom Classic」と同じく、メモリスペックの影響は小さいが、高クロックが望ましいだろう。
ベンチマークテスト:UL Procyon:Al Image Generation Benchmark
ここからはAI系を試していこう。まずは画像生成AI「Stable Diffusion」のパフォーマンスを計測する「AI Image Generation Benchmark」で確認していこう。テストには1,024×1,024ピクセルの画像を16枚生成する処理からスコアを算出する「Stable Diffusion XL (FP16)」を実行した。
メインメモリよりも、GPU性能やグラフィックメモリの容量が影響するため、スコアはほぼ並んでいる。
UL Procyon:AI Text Generation Benchmark
次は複数のLLM(大規模言語)モデルでテキストを生成する「AI Text Generation
Benchmark」で確認していこう。言語モデルは「PHI 3.5」「MISTRAL 7B」「LLAMA 3.1」「LLAMA 2」になる。
傾向は「AI Image Generation Benchmark」と同じで、スコアはほぼ並んでいる。DDR5-4800と比べメモリクロックは勝るが、メモリタイミングはCL42-52-52-104と高くなっている。DDR5-4800 CL40-40-40-77に、明確に勝るパフォーマンスを確認できるシーンは多くはないが、2スロットで128GBの大容量を実現できるというメリットは見逃せない。