テストセッションの最後は、Ryzen 9 9950X3Dで「Cinebench 2024」を動作させていた際のヒートシンクの様子をサーモグラフィで観察してみよう。
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| アイドル時のサーモグラフィ | |
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| 高負荷時のサーモグラフィ | |
アイドル時に比べて、高負荷時のヒートシンク温度は平均で約10℃上昇している。さらにヒートパイプ部は周囲より明らかに温度が高くなっており、CPUから発生した熱が効率よく移動できているようだ。
約9年のブランクを経て登場したMSIの空冷CPUクーラー「MAG COREFROZR AA13」。しかし、その長い空白をまったく感じさせない完成度で、同社らしい復活を遂げた印象だ。 エルミタ編集部CPUクーラーテスト担当から上がってきたデータは、想像以上に良好な結果が並んでいる。見た目こそナローデザインのミドルレンジ仕様だが、Ryzen 9 9900X3D(TDP120W)では余裕を残し、Ryzen 9 9950X3D(TDP170W)においても最高温度が90℃に達することは一度もなかった。冷却性能における“守備範囲の広さ”が、もっとも印象的だった。加えて静音性も見逃せない。

余談になるが、コンシューマ向けCPUクーラーでヒートパイプを直接CPUに触れさせた“ダイレクトタッチ構造”の始まりは、2007年2月に発売されたサントラスト「薙刀(NAGINATA)」にさかのぼる。3本のヒートパイプを露出させた「DHTS(Direct Heat Transfer System)」は話題を呼び、その斬新さも手伝って自作PC史上に残る大ヒット製品となった。

それから約18年。ヒートパイプ・ダイレクトタッチ式クーラーは今や、確かな性能を備えた成熟技術となった。今回取り上げた「MAG COREFROZR AA13」もその一角を占める1台であり、市場想定売価税込3,980円という価格設定を考えれば、むしろ“冷却性能とのアンバランスさ”こそ注目すべき魅力といえるだろう。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社