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ここまで製造現場の様子を確認してきたが、別フロアにあるラボの様子も案内してもらった。まず訪れたのが、精密測定を行うラボだ。光学顕微鏡を用いた銅製水冷ヘッド内部の水路精度チェックをはじめ、空冷CPUクーラーのブラケット強度試験、ビッカース硬さ試験による材料強度の測定など、さまざまな検証が行われていた。
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次に案内されたのが、ファンや水冷ユニットポンプのエイジングルームだ。ここでは一定の環境下で長時間負荷をかけることで、製品の耐久性を検証している。厳しい条件下でも安定して動作するかを確認するとともに、ラジエーターの液漏れや冷却液の蒸発といったトラブルの有無もチェックしているという。
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| ファンやポンプは最高回転数で動作させていた | |
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| 大型装置内は気温85℃、湿度100%の状態にセット。厳しい環境で長時間の負荷テストを実施している | |
そのほかにも、風洞実験機を使ったファンの風量・風圧テストや、無響室でのノイズテストを実施。動作中の製品を噴霧器内に入れる耐久テストのほか、パッケージ状態や出荷用段ボールに梱包した状態での衝撃・振動テストなど、多岐にわたる検証が行われていた。
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| 風洞実験機では120mmファンの検証が行われていた |
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| 無響室でのノイズテストの様子。30cmおよび1mの距離でデータを測定する。動画では実際の音が聞けるので確認してほしい |
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| 水冷ユニットに霧を吹きかけ続けるという過酷なテストも行われていた |
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| さまざまな高さからの落下テストや、専用マシンを使った振動テストも行われていた |
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最後に紹介してもらったのが、1階にある倉庫エリアだ。ここには工場で使用する入荷部材のほか、パッケージングを終えた出荷前の製品がまとめて保管されていた。
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| 湖南省の工場から届いたヒートパイプ |
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| 大量に保管されていたアルミニウム製ヒートシンク |
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| 1本の長いアルミニウム製の棒を金太郎飴の要領でカットすると安価なCPUクーラーのヒートシンクになる | |
日本を含むアジア圏の国々はもちろん、北米やヨーロッパなどへの出荷を待つ製品も並び、日によって量の違いはあるものの、ほぼ毎日出荷作業が行われているという。
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エルミタ取材班では、これまでにもパーツ工場の取材を行ってきたが、今回まず驚かされたは工場内部が非常に清潔で整頓されていた点だ。本格稼働開始から約1年とまだ新しい工場ではあるものの、高度に自動化された設備と製造ラインが整い、そこで働く従業員の規律の取れた動きが、ID-COOLING製品の品質の高さを支えていると感じた。
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中国メーカーのPCパーツは、かつて品質やデザインの面で台湾メーカーに後れを取っていると見られることも多かったが、現在では状況は大きく変わりつつある。ID-COOLING製品を実際に見て品質に疑問を抱く人は少ないだろう。特に冷却性能を左右するベースプレートの加工工程などでは、高度に機械化されたラインを活用しつつも、要所の検査が人の手と目、耳によって行われていることが確認できた。
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ユーザーに安心して使える製品を届けるため、品質に直結する重要な工程は人の手によって支えられている。わずかな異音やキズも見逃さず、出荷前に確実に選別する姿勢は非常に徹底していた。パーツメーカーとしては比較的若い企業ではあるが、今後もパーツ市場を賑わす魅力的な製品の登場に大いに期待したい。
協力:ID-COOLING