8,000MHzのオーバークロックメモリとLatency Killerを試す
ハイエンドマザーボードらしく「MEG X870E ACE MAX」では、「SMT」や「Memory Boost」、高品質な8層PCBを採用することで最大9,000MHzまでの高クロックメモリに対応する。さらに「Latency Killer」を使えば、高クロック動作時のメモリレイテンシを低減できるという。そこで、DDR5-8000に対応するKLEVV「KD5AGUA80-80D380G」を使用してその効果を確かめてみることにした。なお「Game Boost」はONにしたままで検証を進めている。
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DDR5-8000のメモリプロファイル、「Latency Killer」とも有効にするだけで安定動作が可能
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「AIDA64 Cache & Memory」の結果を確認するとメモリ帯域はDDR5-4800から約35~40%向上。またレイテンシはDDR5-4800から約12%、「Latency Killer」を有効にするとさらに約8%短縮された。なおOSの起動、各種ベンチマークとも一切不安定な挙動を示すことはなかったため、以降のテストはメモリスピードDDR5-8000、「Latency Killer」を有効にした状態で検証を進めていく。
ベンチマークテスト:「CINEBENCH」
メモリプロファイルと「Latency Killer」を有効にした状態での安定動作を確認したところで、メモリチューニングの効果を「CINEBENCH」シリーズを使ってチェックしていこう
「CINEBENCH R15」から「CINEBENCH R23」まではシングルコア、マルチコアともスコアに変化はなかった。一方、バージョンが新しい「Cinebench 2024」や「Cinebench 2026」では、シングルスレッドで約3~4%、マルチコアでは約10%スコアが上昇しており、3Dレンダリングでもメモリクロックやレイテンシの影響はある。
ベンチマークテスト:各種ゲーム
続いてメモリチューニングの効果を各種ゲームでも確認をしておこう。
GPU(グラフィックスカード)の影響が大きい「Doom:The Dark Ages」では、メモリクロックによる差は出ていない。しかし、「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー」のフルHD/WQHD解像度では約6%、「Cyberpunk 2077:Phantom Liberty」ではフルHD解像度で約17%、それ以外で約4%の差がついた。さらに「Watch Dogs Legion」ではフルHD/WQHD解像度では約18%、4K解像度でも約10%上回るフレームレートを発揮した。「MEG X870E ACE MAX」に、GeForce RTX 5090とRyzen 9 9950Xを組み合わせるようなハイエンド構成の場合、メモリについてもできる限り高速なものを用意したい。
Package Power 260W超にも対応する高性能VRMヒートシンク
テストセッションのラストは電源回路に実装されている高性能VRMヒートシンクのパフォーマンスを確認していこう。ストレステストは「Cinebench 2026:30 minutes(Test Stability)」を使用し、「Game Boost」を無効にした場合と有効にした場合のMOSFET温度とPackage Powerを計測した
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Game Boost:OFF時のサーモグラフィ
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Game Boost:ON時のサーモグラフィ
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CPUソケット周りにエアフローがない状態にも関わらず、Package Powerが200W前後で推移するGame Boost:OFF時ならMOSFET温度は最高62.5℃、Package Powerが260Wを超えるGame Boost:ON時でも最高67.5℃で、「ウェーブフィン」や「ダイレクトタッチクロスヒートパイプ」「9W/mkサーマルパッド」で構成されるVRMヒートシンクの冷却性能は極めて優秀だ。
ATXの枠を超えた死角のないハイエンドマザーボード
今回はMSI「MEG ACE」シリーズへと、約3年半ぶりに投入されたSocket AM5向けマザーボード「MEG X870E ACE MAX」の検証をしてきた。現行最高峰の110A SPSによる計21フェーズの電源回路と冷却性能を極めたVRMヒートシンクの組み合わせは圧巻だ。Package Powerが260Wを超える高負荷時でも、一切の不安を感じさせない安定動作を実現している。さらに「OC Engine」の実装により、ハイエンドCPUのポテンシャルを最大限に引き出せる点も魅力だ。
そして基板サイズがATXフォームファクタへとコンパクト化されたのも大きな進化。それにもかかわらず、実測で1,000MB/sを超える10ギガビットLANを筆頭とした高速ネットワークや、帯域幅40GbpsのUSB4など、インターフェイス面は強化されている。「MEG ACE」シリーズがメインターゲットに据えるハイエンドゲーミングPCはもちろん、動画・画像編集をメインとするクリエイターPCや、ローカルAIマシンのベースにも十分なポテンシャルを備えている。
加えて「EZ DIY」機能の恩恵により、パーツの大型化に伴う組み立てやメンテナンスのストレスも軽減されている。税込約14万円という価格設定は、決して手軽ではないが、標準的なATXサイズの中で、妥協のない最高峰のZen 5環境を構築したいエンスージアストにとって、本製品は非常に完成度の高い選択肢と言えるだろう。
提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社