グラフィックスカードの搭載テストにはNVIDIA「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」を用意した。カード長は304mmで、幅は137mm、厚さは61mmの3スロット占有デザインを採用する。

一見複雑な内部構造のAIR 5400だが、搭載手順はオーソドックス。搭載に必要な3段分の拡張スロット金具を外し、グラフィックスカードを装着。取り外したインチネジでしっかりと固定すれば、搭載作業は完了する。なお、12V-2×6コネクタケーブルは、マザーボードトレイ末端のスルーホールから配線を行っている。

AIR 5400のグラフィックスカード有効スペースは長さ430mmまで。目視で確認しても空きスペースは十分で、「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」とフロントパネルまでの距離は実測で約130mmを残した。 また、重量級・長尺グラフィックスカードを支える
「GPU Anti-sag Stabilization Arm」は、出荷時よりマザーボードトレイ右手に装備されている。ピン状のアームは先端がねじ込み式で、グラフィックスカードに合わせて上下スライドによる位置調整ができる。シンプルながらその役割は十分に果たしてくれる。
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| 「GPU Anti-sag Stabilization Arm」の搭載位置は固定されているため、カード長260mm以上のグラフィックスカードでなければ使用ができない。なおここでは完全に存在を失念していたが、アームとグラフィックスカードの接触面には付属の「Anti-sag Stabilization Arm Rubber Spacer」を使おう |
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| 組み込みおよび配線、動作確認が完了。「Top Panel Airflow Duct」と「GPU Airflow Duct」を取り付ければ完成 |
いつになく解説の長いレビューになってしまった。総括ぐらいは簡潔に行こう。 [○]な部分は、モデル最大のセールスポイントである「CPU冷却チャンバー」にほかならない。どう見てもトリプルチャンバー構造の主役だし、製品の設計コンセプトはここに集約されている。もっともこの区画がなければ、単なるデュアルチャンバーに留まり、キーワード的には一段弱くなる。

オールインワン型水冷ユニットにおける冷却の要、ラジエーターをあたかもバラック状態で運用する発想は面白い。PCケース自体のエアフロー性能とは切り離し、AIO水冷ユニットそのものの能力に委ねる設計思想。この考え方は、今後のPCケース設計に新しい潮流を生むかもしれない。 同じ発想を抱いた設計者はこれまでにもいたかもしれないが、それを実際に製品化まで落とし込めたのはCORSAIRならではの強みだろう。“これで冷えなければ仕方がない”――まさにAIO水冷の最終形と呼ぶにふさわしい環境が、ここにある。

一方[×]な部分として挙げたいのが「Front Tempered Glass Panel」の固定方法だ。もちろんラジエーター搭載時に起きたインシデントをCORSAIR側の落ち度と責めるつもりはない。ただフロント左側パネルを敢えて開閉式にする必然性は薄く、もしシンプルなボールスナップ式の着脱構造であれば、あの複雑なヒンジも必要がなかったはずだ。完成後の運用を考えても、この部分をドア式にするメリットはあまり思いつかない。

どれほど性能が向上するかは別として、プラスチック製のダクトの採用は実にユニークで、グロメットに置き換えたナイロン製のブラシも新鮮だった。こうした新たなチャレンジを目の当たりにすると、PCケースというジャンルは決して完成形はなく、これからも進化し続けて行くのだろう。そんな思いを一層強くさせられる。AIR 5400は実に面白いPCケースだった。
提供:CORSAIR
株式会社アスク