CFV(セントラル・フローティング・ベンチレーション)を有効活用すべく、ボトムファンを増設してみよう。搭載テストには
COUGAR「APOLAR 120 ARGB 3個パック」(型番:CF-APR12HB3-RGB)を用意した。シームレスなデイジーチェーン接続に対応する120mmファンのカタログモデルで、軸受けにハイドロ・ダイナミック・ベアリング(HDB)を採用。独自のQ-Stop減衰システムにより、騒音値と振動負荷の低減を実現させた。
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| 回転数は600~2,200±200rpm、騒音値最大37.1dBA、風量最大75.38CFM±10%、静圧2.59mm H2O±10%とされる |
ボトム面への固定には冷却ファン付属のネジを使用。シャーシ付け根部分のスルーホールからケーブルを背面に引き込み、ユニバーサルファンハブにコネクタを接続した。これでセントラル・フローティング・ベンチレーションを活用し、メインチャンバーに常時外気を取り込むことができるようになる。
CPUの冷却には、オールインワン型水冷ユニットをチョイス。搭載テストには、2025年10月より国内販売がスタートした、
COUGAR「POSEIDON VISTEK ARGB 360」(型番:CGR-PSDVARGB-B-360)を用意した。製品名からも分かるように、ラジエーターはいわゆる360mmサイズ(幅121mm、奥行き392mm、厚さ27mm)で、360°回転する1.9インチデジタルディスプレイを搭載。エルミタでは
詳細検証もお届けしている。
(2025.10.31 更新)
360mmサイズラジエーターはトップパネルに固定。天板のネジ穴はスリットタイプで、ラジエーターのネジ位置に合わせて固定位置が調整できる。前後ピッチには余裕があり、合計12箇所すべてを使ってしっかり固定することができた。もちろん直径70mm、高さ59mmのウォーターブロックも390mmのウォーターチューブのおかげで無理なく収められている。

なお今回は作業順の都合で、メインチャンバーのボトム側に「APOLAR 120 ARGB 3個パック」を先に固定してしまったため、マザーボード下辺に集中する各種コネクタやヘッダーピンへのアクセスがややしにくくなった。抜き挿し自体は可能だが、本来はオールインワン型水冷ユニットを先に搭載し、その後で冷却ファンを固定するほうが作業性としては望ましいだろう。
グラフィックスカードの搭載テストには3スロットを占有する、NVIDIA「GeForce RTX 4080 SUPER Founders Edition」を用意した。カード長は304mmで、幅は137mm、厚さは61mm。ちなみにCFV235のグラフィックスカード有効スペースは長さ430mmまで。現行のコンシューマ向けグラフィックスカードで搭載できないモデルはまずないだろう。

搭載手順は必要分だけの拡張スロット金具を外し、GeForce RTX 4080 SUPER Founders Editionを装着。取り外したインチネジをそのまま使い、固定すればいい。 搭載方法は通常通りだが、CFV235には「グラフィックスカードホルダー」が標準で装備されているため、事前にグラフィックスカードにあった固定位置にスライドさせておく必要がある。ポジションは後方寄り(A)と前方寄り(B)からセレクトできるため、汎用性が高く多くのモデルで利用ができるはずだ。なお搭載後のクリアランスは、フロントパネルまで約130mmだった。もちろんなんら問題はない。
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| 増設したボトムファンとの位置関係。セントラル・フローティング・ベンチレーションの恩恵を最も受けているのがグラフィックスカードだ |
特に手順はないので、仕上げとしてアクセサリBOX(茶箱)に収納されている「LED Strip」を装着しておこう。セントラル・フローティング・ベンチレーションの開口部(約25mm)の上部、メインチャンバーの底面にマグネットで固定。ARGBコネクタはサイドファン下にある小窓(カットアウト)を通して、ユニバーサルファンハブの空きコネクタに接続する。これによりイルミネーションが同期し、CFV開口部を間接照明のように美しく発光させることができる。なお、LED Stripが“後付け扱い”となっている理由は不明だが、ここは「COUGAR独特のルール」と受け止めておくのが良さそうだ。
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| なぜか後付けの「LED Strip」。発光を嫌うなら装着しないという選択肢はある |
「宙に浮く」とはやや大げさだが、シャーシ素材の1.5mm厚スチールフレームにより、大胆に口を開いたCFV(セントラル・フローティング・ベンチレーション)。ハイエンド志向の構成パーツを満載にしたところで、筐体が歪んだりする素振りはまったくない。開口部を設けるデザイン性とエアフローの新たなアプローチは非常によく考えられている。

一方で、メインチャンバーと電源ユニットキャビンの2つに分かれた一見特殊構造ながら、内部設計は一般的なPCケースと大きな違いはなかった。上下を分割する約25mmの隙間により、内部容積が狭く感じるようなこともなく、組み込み易さも確保できている。選択肢豊富なピラーレスデザインPCのミドルタワーPCケースとして見た場合でも、なんら遜色はなかった。コンセプト、設計、いずれも[○]な部分と言えよう。

ただ気になる点もあった。まず標準装備の「ユニバーサルファンハブ」がサイドファンの真上にあるため、接続したケーブルが絡みやすい。そのための結束バンドやフック、スルーホールだが、基板の固定位置を変えれば済む事ではある。

そして3.5インチHDDのネジ穴の汎用性と、ボトムファンがオプションであることも気になった。後者は売価との兼ね合いといった事情も理解できるが、CFV235一番のウリであるセントラル・フローティング・ベンチレーションは、”出荷時より完成”していてほしい。そんな思いを込めて筆者個人的には[×]な部分として挙げておきたい。
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とは言え、PCケースとしての完成度は高く、組み込み易いPCケースであることは間違いない。COMPUTEX TAIPEI 2025の発表以来、COUGARへの見る目が変わった熱心な自作派も多いだろう。数年前のCOUGARとは明らかに違う一皮むけた製品群。2026年の注目メーカーに名を連ねたことは間違いなさそうだ。
提供:COUGAR
株式会社アユート