ここからは、搭載可能な冷却ファンおよびラジエーターについて見ていこう。ミドルタワーPCケースのEpochと比べても差が分かりやすいポイントだけに、本項ではやや詳しく解説する。 メタル製メッシュパネルを備えるフロントパネル内部、スチール製シャーシ側には、標準で140mmファンが3基搭載されている。120mmファン3基への換装も可能だ。なおEpochでは、140mmファンは最大2基(120mmファンは3基)までのサポートに留まるため、Epoch XLではフロント吸気性能が明確に強化されていることが分かる。

なお、標準装備される
「Momentum 14」は、ブラックとホワイトの2色をラインナップするカタログモデル。液晶ポリマー(LCP)製のスイープブレードデザインと流体動圧軸受(FDB)を採用し、低振動・低ノイズを特徴とする。回転数は350(±150)~1,800rpm(±10%)、最大風量79.79CFM(135.6㎥/h)、最大静圧2.26mmH2Oとされている。
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| フロントには140mmファンを3基標準搭載。Epochと比べても吸気性能が強化されている |
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| シャーシへの固定には、本体内部のフロントパネル裏からテーパーネジが使用されていた |
トップパネルを取り外すと、シャーシ天板には複数のスリット(ネジ穴)が用意されている。ここには120mmファンを最大3基、140mmまたは180mmファンを最大2基まで増設可能だ。 中でも大口径で大風量、低速・低騒音が期待できる180mmファンについては、Fractalから
「Prisma AL-18 PWM」や
「Dynamic X2 GP-18 PWM」といったカタログモデルがラインナップされており、入手性の面でも不安は少ない。

ラジエーターは120/140/240/280/360mmの各サイズに対応。最大幅は360mmサイズで138mmまで、280mmサイズで157mmまでとされている。なおEpochでは120/240mmサイズ(最大幅122mm)までの対応だったため、トップ側のラジエーター互換性はEpoch XLの優位性が最も分かりやすく表れるポイントと言える。
| シャーシ天板の前方右側には「Water Cooling Fillport」を用意。φ25.4mmの穴は、DIY水冷用の給水口として利用できる |
長孔タイプ(Oblong hole)の通気孔が広がる背面右上部には、120mmファンが1基増設が可能。最もベーシックな120mmサイズラジエーターも搭載できる(最大幅135mmまで)。Epoch XLシリーズは、どのモデルを選んでも、リアファンはオプション扱い。Fractal製ケースではリアファン非搭載の例が少なくないことから、必要に応じて増設するかどうかをユーザーの判断に委ねた構成と捉えるのが自然だろう。
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| 筆者であれば、CPUやVRMの熱源が近いこともあり、常時排気用に低速ファンを用意するだろう |
一方で、スペック表には記載されていないものの、マニュアル上ではもうひとつの増設スペースが示されている。それが拡張スロット金具部だ。全7段のうち下から4段目までの拡張スロット金具部を利用することで、長孔タイプの通気孔をネジ穴として活用し、80mmファンを1基増設できる。

この手法を積極的に提案しているメーカーは、現状Fractalぐらいだろう。追随するメーカーがほとんど見当たらない点を踏まえると、一般的には現実的な運用を想定しにくい、という判断があるのかもしれない。